特定領域研究

  「新世代の計算限界」 ニュースレター    第 1 号        2004/11/5


          はじめに

このニュースレターは,特定領域・新世代の計算限界のメンバーの情報交換と交流を目的とした情報発信誌です.毎回,いくつかの研究関連の記事と,特定領域のスケジュール・活動報告と,各研究者の活動予定などをお送りいたします.

各号は電子メールで配布する予定です.短い記事や連絡事項は全て掲載しますが,長い記事,イベントの詳細などはwebページに掲載する予定です.webページには詳細まで全てを載せた完全版を掲載して,目次,あるいは各記事の末尾のURLを参照すると,web版の同じ記事を参照できるようにいたします.

記事は,各回,1つの研究課題に担当をお願いする予定です.各研究課題で2000-4000字程度,研究に関わる記事を書いていただければと思います.通常,このようなニュースレターでは,研究成果を報告するのが一般的だと思われますが,この特定領域では「研究者の交流」に焦点を当てたいため,「研究の成果以外」の記事を面白く解説していただければと思います.例えば,最近参加した国際会議の情報を,どのようなものが流行っていたか,何が面白かったか,などの主観的な解説を交えて報告したり,最近考えている問題,あるいはオープン問題を,この辺までは解けるがここがうまくいかない,といった解説を交えて紹介する,という形です.

また,研究者間の交流を促進するため,各研究者の,国内外の会議への出席予定を集約して掲載していこうと考えています.研究者の交流には,顔をあわせる回数を増やすことが肝要です.他の研究者の参加予定がわかれば,会議への出席のモチベーションを高めることにもつながり,それがディスカッションや研究成果を生むきっかけにもなるでしょう.特定領域メンバーの皆さんには,自分のわかる範囲で,国内外の会議・研究会の情報と,自分の参加予定を教えていただければと思います.

この他,個人からの寄稿を募集いたします.100-1000字程度で,情報宣伝されたいことを自由な形式で書いて送っていただければ,掲載いたします.メールで配布する関係上,テキスト形式のものしか扱えませんが,そこはご了解お願いいたします.

ニュースレター編集委員では,皆様からのご意見をお待ちしております.編集方針や内容の追加など編集全体にかかわることから細かいことまで,幅広いご意見をお願いいたします.

 ■■ 新世代の計算限界 ニュースレター ■■

      編集委員長 宇野 毅明 uno@nii.jp (問合せ先)

      副編集委員長 牧野 和久 makino@sflab.sys.es.osaka-u.ac.jp

 


       第 1 号:   目次


1. 特定研究「新世代の計算限界」のスタートに当って − 岩間 一雄 (京都大)

2.特定領域研究「新世代の計算限界」の発足を祝う  − 稲垣 康善 (愛知県立大)

3.寄稿:An introduction to the puzzle of European research funding    − Josep Diaz (スペイン・カタロニア工科大学)

4.2004年度第2回幹事会・第1回全体討論概要          − 事務局

5.イベントカレンダー



      特定研究「新世代の計算限界」のスタートに当って    京都大学 岩間 一雄 




 アテネ五輪では思わず興奮してしまった諸兄も多いと思われるが,一段落して落ち着いて来ると色々と見えてくる.私が注目したのが競技(陸上,競泳,野球等)と種目(男子100メートル競争等)である.全体では種目の数は結構
膨大で300にも上るらしいが,勿論「格」の違いがはっきりしている.例えば陸上の中でも,マラソンは「五輪の花」でそれを制した野口選手の偉大さは(こういう言い方は良くないが)繰り上げ金メダルの室伏選手とは比較にならない.このことは選手自身も良く理解しているらしい.だからこそ,末続選手は去年の世界選手権では200メートルでメダルを取っているのに今回は100メートルに挑戦したが,全く歯がたたなかった.競泳で2個の金メダルと騒がれた北島選手であるが,平泳ぎである.柴田選手の自由形の快挙と比べるとどうなのであろうか.(ただ,米国のマスコミでは北島選手は大きく取り上げられていた.例の泳法違反の疑いの件ではあるが.)

 しかしなんだかんだ言ってもオリンピックの競技でメダルを取ることは文句無しに偉い.心ならずも貶してしまったが,ハンマー投げは技術力がものを言うという希有な種目で私自身大好きである.格云々とは言っても,オリンピックに入っているだけで十分にすごいし,比較的「楽な」種目で勝つことは賢い人の常套手段である.更には,「入れてもらえない」スポーツも数多く存在するのである.例えば相撲は,その勝敗の分かり易さという点では格闘技の中でもピカ一であるが,残念ながら例の褌の問題でもうひとつ世界に普及しない(その代り日本の大相撲が世界の中心になりつつあるのでまあいいか.)スケートボード,ローラースケート,サーフィン(開催場所が難しいか...)などなどの愛好者の数は一部のオリンピック競技(具体的には言わないが)よりははるかに多いと思われる.ただ,良く見ると,「入れてもらっている」競技にしてもその扱いは公平ではない.例えば,柔道だけで男女合わせて14個も金メダルがあるのに,野球やソフトボールはあんなに長丁場の試合をして,金メダルの個数は「1個」である.国別メダルの獲得競争で,野球なら9個とまでは行かなくとも5個くらいに換算してあげても良いのではないだろうか(あるいは体操の種目別のように首位打者や本塁打王も表彰するとか).まあ,スポーツにもある種の政治が絡むのは常識であるが,幸運にも私は当事者ではない.自らに直接関係無いこうした「力関係の妙」を見るのは本当に楽しいものである.

 暢気なことを言っている場合ではない.我々学者の世界だって典型的な競争と(複雑かつ微妙な)力関係の社会なのである.ちなみに私や本特定研究の参加者の多くは大きな括りでは「情報学」(名称に関しては色々御意見があろうかと思うがここでは議論しない)に属している.10年くらい前までは工学の中の一分野に過ぎなかったが昇格したのは大変喜ばしい.同じレベルの分類で言えば,物理学,経済学,医学,といった辺りが来るのであろう.過去数十年では,明らかに最も発展した学問分野であることは間違いない.特定領域でも,総元締の「ITの進化の基盤を拓く情報学研究」を始め,データマイニング,分子計算,といった幾つかの領域が走っていて優遇されている.しかし,上には上もあるのである.例えば,お医者さんの世界はけた違いにすごい.大雑把に言えば科研費全体のおよそ半分が医学とその関連分野に流れているのである.特定研究でも,我々の10倍以上の50ー100億といったプロジェクトが目白押しである.それらのいくつかは,「予定されている」ものらしく,ほぼ同じタイトルで5年おきに更新されていく.物性関係や宇宙も非常に強い.「ナノ・・・」というタイトルがいくつも目につく.実験系の物理がお金を食うのは分かる.最近量子計算で物理の先生のお話を伺うチャンスも多いが,極端な話,お金=業績というケースも多いらしい.医学も実験が大変らしい.実験動物の値段を聞かされてびっくりした事がある.まあ,しかし総合的に見れば,我々の分野は「入れてもらっている」方になるのであろう.有難いことである.

 次に情報学内部の「種目」を見てみよう.我々はアルゴリズムと計算量ということで,大雑把に言えば基礎理論である.さて,威張れるのであろうか.ひとつの尺度として,大学の情報関係学科における我々の仲間の占める割合を見てみよう.まず,天下のMITとStanfordであるが,双方とも計算機科学科の先生の数は50名程度である.その内で,理論の人は12ー3名といったところである.(但し,数学科所属の人もいるので注意.例えばMITでは,Goemans,Leighton, Shor, Sipserといって蒼々たる顔触れが上のカウントには入っていない.)大雑把に言えば,全体のおよそ25%が理論と言った感じになる.ただし,同様に大御所であるCMUは雰囲気が違って,この数字がおよそ1割に落ちる.わが国に目を向けてみよう.私の地元の京大であるが,母集団をどこに取るかが難しいのであるが,例えば情報学研究科の教員数はおよそ130名程度である.半分強を情報関係と見れば約70名,その内の理論は7ー8名という感じである.つまりCMUと同じ1割である.この1割というのがわが国における標準的数字では無いかと思う.京都の場合は母集団が比較的大きいので恵まれている(建築に加藤先生,数解研に藤重先生もおられる).学内の理論計算機グループの研究会であるkidsは先日第19回目のミーティングを行うことが出来た.この1割を(一部の大学であったとしても)MITなみの2割5部まで上げることができないだろうか.私の大きな夢である.

 学会はどうであろうか.ACMのチューリング賞は40回以上になるが,理論がおよそ25%と言ったところである.ACMの会長に関しては過去のデータが見つからなかったが,昨年度の会長はあの Maria Klaweだった.わが国の情報処理学会の会長は現在まで22名を数えるが,理論関係では野口正一先生だけの様である.学会の役員は色々難しい事情もあるのだろうが,大学の要職に目を向けると目を見張るものがある.まず,野口先生は会津大学の学長も経験されている.本多波雄先生は豊橋技術科学大学の学長をなさっている.木村正行先生は北陸先端科学技術大学院大学の,有川節夫先生は九州大学の,都倉信樹先生も鳥取環境大学のそれぞれ副学長をなさっている.更に学部長・研究科長では最近だけでも稲垣康善,上林彌彦,茨木俊秀,丸岡章の各先生が就任されている(他にもいらっしゃると思いますが思いつかず,申し訳ございません).こうして見ていくと,理論分野の大先輩のご活躍は本当に立派で我々の大いなる誇りである.

 更に理論分野の中の小分類(研究テーマ)を見てみよう.陸上のハンマー投げとマラソンでは違いが大きすぎて途中から転向するなど思いもよらないだろうが,我々の研究テーマの間にはそれほどの壁は無い.実際,多くの仲間が多かれ少なかれテーマ変遷の歴史を持っていると思われる.私自身も45才のころに(偶発的な事情から)量子計算を始めることになった.力不足で私自身の到達度は未だ心もとない状態ではあるが,本当に得難い経験をさせてもらった.議論の展開を式の流れ中心で進めて行くという流儀に出会い,世の中にはこの方がずっと解りやすい人が多くいることに感動した.フーリエ変換なるものがやっと解った(ような気がした)のも量子計算のお陰である.理論分野を2つに大別するとすれば,計算量理論とアルゴリズムであろうが,これら2つの間を渡り歩いた人も多く存在する.例えば,本特定研究の評価委員を御願いしたJosep Diazは構造的計算量理論の教科書を書いているが,現在はアルゴリズム中心の人である.ただ,彼も言っているように,計算量理論でも基本テクニックは勿論「アルゴリズム」であって,その意味ではこのような分類自体が意味を成さないのかもしれない.何度も言っているように,我々の分野は十分恵まれているのであって,研究テーマの選択は贅沢な悩みかもしれない.だからといって何でもうまく行くのではないことも又当たり前で,その微妙なところが(運も重なって)成功と失敗の分かれ目にさえなりうる.曰く言い難しとはこのことであろう.

 最後になってしまったが,本特定領域の準備段階では多くの皆様から筆舌に尽し難いご援助を賜った.特に,申請書を書く時のタイトル,基本ポリシーについて議論したときは,私自身の今までの取り組みの浅はかさを痛感させられてしまった(いつの頃からか盲目的に人気のあるテーマに追従するという姿勢になってしまっていた).多くの諸兄が全く反対の,理論とはこうあるべきだ,我々のコミュニティの発展のためにはこうしなくていけない,といった固い信念を持って日々の研究に取り組んでいることを知って驚く(失礼!)と共に大いに力付けられた.これなら,本プロジェクトの成功は間違いないであろうと確信するに至った.医学分野のように,次々とプロジェクトを連続させることが出来るようにしたいというのが今の私の最大の願望である.

 

 


      特定領域研究「新世代の計算限界」の発足を祝う                    愛知県立大学 稲垣 康善


 本特定領域研究の代表者の岩間先生から,「大分以前になりますが,来年度発足を目指して科学研究費の特定研究を準備していることをご連絡差し上げました.」という書き出しで始まる平成15年11月19日付けのお手紙とともに,文部科学省に提出の申請書1部をお送りいただいてから,1年になります.そのお手紙の中には,「今後も審査突破に向け,誠心誠意努力する所存でございますので・・・」とありました.その通りのご努力の結果,この度,本研究領域が発足する運びとなりましたことは,我が国のコンピュータサイエンスの発展にとって誠に喜ばしく,お祝い申し上げる次第です.
 岩間先生からのお送りいただいた申請書を拝見し,本研究プロジェクトは離散的アルゴリズムの分野で,厳密に正しい解を計算することが原理的に困難な問題に対してもコンピュータ利用が盛んになり,その結果,従来の計算効率による評価から計算結果の品質の良さにアルゴリズムの評価の中心が移り,そのことによって従来考えられてきたフィージビリティの限界を超える新しいアルゴリズム開発が次々と行われるようになったとの認識に立ち,新しいアルゴリズム研究の指針を確立しようと言う挑戦であると理解しました.総括班のもとに27の研究項目が設定され,いずれも現在の重要な研究課題であると頼もしく読みました.
 昨2003年,ACMの50周年記念のJACMが発行されましたが,コンピュータサイエンスも半世紀を超える歴史を重ねるまでになりました.私事で恐縮ですが,私は1962年に名古屋大学の電子工学科を卒業して大学院に進学し,それ以来オートマトンと言語の理論と,それをよりどころにした研究をしてきました.計算可能性の理論から出発し,形式的モデルと意味論,アルゴリズムと複雑さの理論にいたる,コンピュータサイエンスの基礎理論の発展の歴史の中でこれまで勉強を続けてこられたことを幸いに思っています.
 振り返ってみますと,シャノンの情報量の定義は,情報の科学の発展に本質的な貢献をしました.情報の量を計ることができるようになったことは,情報を早く大量にそして間違いなく伝送することに関する技術を驚異的と言って良いほどに進めたと思います.引いてはコンピュータの技術はもちろん音声処理や画像処理の技術が進み,通信とコンピュータの技術が結合し,インターネットに象徴されるITの時代に至っていると思います.
 一方,計算の複雑さを計ること,これは,オートマトン・言語理論を基礎に,その理論が築かれました.その結果,アルゴリズムの理論は大きく発展しましました.アルゴリズムを計算の効率の視点から客観的ないしは理論的に評価できるようになったことは,それは大きな力を発揮しました.現代のアルゴリズム研究の基礎を支えています.もちろんNP問題のように,数学的にもコンピュータサイエンス的にも興味深い,挑戦的な課題も残されていますが,
実用的な観点からは,アルゴリズムの解析と設計に関して実に多くの成果を人類の手の中にもたらしました.
 その結果,易しい問題,困難な問題を見極めることができるようになり,また,どの程度の難しさであるかを言うことができるようになりました.困難な問題であると分かっても,難しいからと言って手をこまねいているわけにもいかず,解の精度や確度をも評価にいれ,種々の意味で近似的に解を求める理論と技術に関する研究が盛んです.シャノンの情報理論が実用に結びつくなかで,歪み理論が重要であったように,解の品質が評価の基準に据えられるようになってきているのは,アルゴリズムの理論が広く実用に役立てる状況に,そしてその時期にきていると思われます.
 このようなときに,我が国のこの分野の先導的な最も優れた研究者が集まり,本特定領域研究が発足したことは,大変に意義深いことと思います.茨木先生のアルゴリズム工学に関する特定領域研究に続きこの分野の更なる発展に貢献されることはもちろん,新しいフロンティアを開拓されることを期待しています.さらに,この領域研究が,それだけにとどまらず,国内外の多くの研究者の参加も得て,我が国のコンピュータサイエンス分野の研究の発展の為に,そして,国際的にも,大いなる貢献を期待しています.
 簡単ではありますが,これをもって,本研究領域研究に参加し研究を推進される研究者の皆様の大いなる活躍を祈りつつ,本特定領域研究発足に際してのお祝の言葉といたします.

 


 寄稿: An introduction to the puzzle of European research funding     Josep Diaz (スペイン・カタロニア工科大学)


  At the end of the decade of the 70's, the European Union (EU) decided to invest in order to create strong research groups formed with teams from different EUcountries. The research Framework Programmes were created. They coexisted and rely on the national research programmes from each EU country.

  Before continuing, we need a little explanation of the political setting of the EU. The EU has the European Parliament, elected by the citizens of the EU countries, and the European Commission, nominated by the governments of the different EU countries (*1). The European Commission has 17 general directorates (GD) equivalent to ministries, among other the GD of Information Society, the GD of Research and the GD of Energy and Transport. The research founded by the Framework Programmes was spread (and still is) among different (GD), in particular the ones mentioned above.

  In 2000, there was the convincement in the European Commission, that the lack of coordination between EU Framework Programmes and the programmes of individual countries resulted in a duplication of effort and dissipation of resources, which made difficult to talk about European research as a coherent entity, in the same way that we could talk about Americanor Japanese research. Therefore, in order to make the European Union one of the most competitive and dynamic knowledge-based economy in the world by 2010, the European Union established the concept of The European Research Area (ERA), which is intended to be a legislative framework for developing at the European level a joint and coordinate research effort, which will create an European critical mass of researchers in different fields, and hopefully would attract the best researchers from the rest of the world.

  The main instrument to start implementing the ERA concept was the 6th Framework Program (FP) (2003-2007). In the words of the official advertisement of the European Commission (EC) "the FP6 will channel its budget into actions and projects designed to build the ERA in partnership with Europe's best researchers". The FP6, still coexists with national programs, but the amount of resources dedicated are greatly increased with respect to the previous FP, which in some cases implies that some EU countries had to make drastic cuts in their national programmes. In the FP6, the research is focused on specific themes that are strategically important to Europe's future (according to the European Commission). They are not structured from the starting point of traditional research disciplines. The FP6 priority themes are the following (among parenthesis the millions of Euros devoted to each priority):

1. Life sciences, genomics and biotechnology for health (5028)

2. Information Society Technologies (IST) (3984)

3. Nanotechnologies and nanosciences, knowledge-based multifunctional materials, and new production processes and devices (1429)

4. Aeronautics and space (1182)

5. Food quality and safety (753)

6. Sustainable development, global change, and ecosystems (2329)

7. Citizens and governance in a knowledge-based society (247).

  There are other source of founds within FP6, for instance support to big European infraestruture (like an European GRID) (715), the Euroatom program (1230), international cooperation (developing countries, Latin America and other joint programs like with NSF) (401), and others. The most relevant priority area to this report is the Information Society Technologies (IST), which fellin the DG 11, Information Society. The IST is subdivided into four subprograms:

1. Applied IST research addressing major social and economical challenges.

2. Components and Microsystems.

3. Communication, computing and software technologies.

4. Knowledge and Interface technologies.

Each one of those has a budget of 896 millions of euros. There are three modalities of projects inside of each program: The network of excellence large teams of researchers from EC countries or associate states form a network for traveling, (within Europe), holding workshops and schools, interchange of students and researchers, etc. At the moment there is one such a network per subprogram. The Integrated Project, rather large projects, with substantial participation of industrial partners (mandatory) designed to create the knowledge required to implement a new result in the area, which is achieved by integrating a critical mass of activities (research, demonstration, training, innovation, management) and resources (staff, skills, competences, finances, infrastructure, equipment etc.). The IP get the largest share of the budget. The third modality is the Specific Targeted Research Projects (STREP), small size projects where the goal is developing new products or processes contributing to meet the needs of society or community policies (this could be considered more academic projects with limited number of partners and a focused goal).

Moreover, in IST there is a fifth subprogram: Future and Enabling Technologies (FET), which is the subprogram corresponding to basic research. It has a budget of 400 millions of euros. There are two kinds of projects, the Open scheme and the roactive initiatives. The purpose of FET open is to enable a range of ideas for future and emerging technologies to be explored and realized. The scheme is open to the widest possible spectrum of research opportunities that relate to Information Society Technologies. There are STREP type and the usual budget is around 2.5 millions euros for 3 years and 10 partners. The partners must be at least from 4 different countries of the EU or associated states. Trips outside Europe must be very detailed justified.

  On the other hand, the proactive initiatives are launched on topics where early ground breaking work has already demonstrated an important potential, but where significant scientific or technological barriers and risk justify a concerted action at basic research level before the area can be taken up as mainstream industrial research. The initiatives usually involve multidisciplinary work at the frontier of information technology. The total budget per initiative inacallmay be in the range of 15 to 30 million euro, and can be covered by several projects (around 4 or 5 different projects have been approved for each proactive initiative). Some of the recent initiatives are: Global Computing, Bio-Inspired Intelligent Information Systems, Quantum Information Processing and Communication, Complex Systems, and The Disappearing Computer. For an example of a project in the Complex System initiative see the web page http://delis.upb.de/. The great drawback of the projects is he great amount of paperwork involved (directly proportional to the founding amount). I have no experience outside FET, but I guess in other subprograms, the burocratic load must be quite heavy. Other kinds of support are the Marie-Curie scholarships, where a researchers (from a EU country or associated state) apply for a scholarship to be during 4 years in a given university (in the EU).

ALCOM: A case of study
In 1988, eleven teams working in algorithms in Europe asked for a project to develop the field of Algorithms and Complexity in Europe. The project was awarded and started in May of 1989, with a global budget of 1.5 Million euros. The participant sites were Aarhus Universitet, Computer Technology Institute (Patras), EHESS-CAMS (Paris), Frei Universitaet Berlin, INRIA-Paris, INRIA-Sophia-Antipolis, Max Planck Institut fur Informatik, UPC, Universita di Roma "La Sapienza", Universiteit van Utrecht, University of Warwick. Fourteen years later ALCOM-FT (the 4th. ALCOM founded by the EC) finished. The project had a budget of 2.5 million euros for 4 years, and the participants in that ALCOM were: Aarhus Universitaet, Computer Technology Institute (Patras), INRIA-Paris, Max Planck Institut fur Informatik, UPC, Universitaet zu Koln, Universita di Roma "La Sapienza", University of Cyprus, Universitaet zu Paderborn, Universiteit van Utrecht, University of Warwick. Behind there is a history of over 60 successful theoretical Computer Scientist trained by the ALCOM projects, which hold academic (many of them at the Professor level) and industry positions in Europe and elsewhere (even one of them in Japan). Over 1000 published papers and books, several computer systems, the better known LEDA and ABACUS. It is beyond any doubt that the ALCOM series played an key role in the development of algorithmics in Europe, and it has been crucial in the scientific and human development of the author of this report.

 

(*1) At this moment there is a very hot issue about the way the Commission is selected. The Commission is the executive body of the EU, which proposes initiatives, and the Parliament is the legislative body which approves of rejects the commission initiatives. The composition must be ratified by the parliament, and the actual parliament has demanded changes in the composition of the new Commission before ratifying it.

 

 


 2004年度第2回幹事会・第1回全体討論概要     事務局



日時: 2004.10.13, 幹事会: 12:00--13:40, 全体討論: 16:15 -- 17:30

場所: 東北大学 工学部 電気情報・物理工学科,

      幹事会: 1号館 4階 451・453大会議室

      全体討論: 講義棟 1階 103号室

出席者:

  幹事会: 浅野孝夫、浅野哲夫、宇野毅明、加藤直樹、櫻井幸一、瀧本英二、

     徳山 豪、西関隆夫、林 幸雄(学術調査官)、渡辺 治、

     岩間一雄、伊藤大雄、堀山 貴史

  全体討論: 省略

 

○学術調査官の林先生の評価コメント

  ・ 情報分野の基盤を支える研究であり、高い国際競争力を期待する。

  ・ 現実問題を対象として従来の理論では解明できないものを解明していくための新しいパラダイムを期待する。

  ・ 領域全体としてどういう成果が出るかが問われる。連携、総括班が重要。

  ・ 品質評価について、基準、目標が不明確。

  ・ 計画の具体性、マイルストーンが必要ではないか。

  ・ 個別研究班の申請に対し幾つかの問題点が指摘された。

  ・ 中間審査が2005年の9月ごろにある。

 

○一般向け雑誌と教科書シリーズ

  ・ 一般向けの雑誌 … サイエンス社 不可能ではない (渡辺先生)

  ・ 教科書シリーズ … 共立出版 前向き (山下先生、杉原先生)

  ・ 来年9月の中間審査までに

      - 雑誌の出版

      - 教科書シリーズの青写真

      を間に合わせたい。

  ・ 渡辺先生、山下先生、杉原先生に継続して舵取りを依頼

○ジャーナル

  ・ 外国の雑誌に貢献しているが、日本からの情報発信が必要。

  ・ 電子ジャーナルを主に考えている。

  ・ 継続性や存在価値など色々検討すべき点も多い。

  ・ 継続審議(調整役:徳山先生)

 

○キックオフ国際会議

  ・ 会議名称:International Symposium on Recent Trends in Compter Science

  ・ 2005/2/28(月) 〜 3/3(木)、京都ロイヤルホテル

  ・ PC co-Chairs: 徳山先生, Magnus先生

  ・ 発表は全て招待講演で、20件の発表を予定

   - 呼んでほしい人がいれば、徳山先生にメールで。

    (運賃と講演料等は総括班で補助できる。)

 

○日洪シンポジウム

  ・ 2005/6/3(金)--6(月)、ブダペスト

  ・ 学生のハンガリーへの渡航補助を行う。

 

○特定「確率的情報処理」(略称 SMAPIP)とのジョイントのシンポジウム

  ・ 2005/7/18(月)--21(木)、仙台国際センター

  - 19,20: 計算限界主体、20,21: 確率的情報処理主体

  (ただし、20,21には両特定領域の交流の場となるような構成とする)

  ・ 依頼講演のみ

  ・ 計算限界側担当者:渡辺治先生、松井知己先生。

 

○研究集会の推奨

  ・ 総括班から補助をするので、特定のメンバー全員が一度は集会を組織するつもりで、どんどん申し出て欲しい。どんな若手でも遠慮は全く無用。

  ・ 事務局から直接、組織をお願いする場合もあるのでご協力下さい。

 

○ニューズレター

  ・ 年に 3 〜 4 回、持ち回りで研究成果以外の記事を書くなどして、研究者同士の交流をすすめる。

  ・ 編集委員長:宇野先生、副委員長:牧野先生

 

○招聘研究者、PostDoc研究員

  ・ 招聘研究者をよびたい場合は、遠慮なくご相談ください。なるべく総括班から補助を出すようにします。

 

○今後の全体会議

 ・ 基本的に半年に1回の開催とする。

 ・ 次回は2月に国際会議があるので、5月とする(二日間)。

  ・ 場所は東京電機大学(築地先生が世話役) [注:全体討論の時から変更有り]

 


 「新世代の計算限界」イベントカレンダー


       ■ 2004年 ■

11/5(金) アルゴリズム研究会, 愛知県立大

      http://www.hirata.nuee.nagoya-u.ac.jp/sigal/

12/10(金) コンピューテーション研究会, 東邦大

      http://tcslab.csce.kyushu-u.ac.jp/COMP/

12/20(月)-22(水) ISAAC, 香港

      http://www.cs.ust.hk/~isaac04/

       ■ 2005年 ■

1/23(日)-25(火) SODA, バンクーバー

      http://www.siam.org/meetings/DA05/

1/31(月)-2/2(水) 冬のLA, 京大数理解析研

      http://la.is.nagoya-u.ac.jp/

1月 アルゴリズム研究会, 東京

      http://www.hirata.nuee.nagoya-u.ac.jp/sigal/

1月 コンピューテーション研究会, 名古屋大

      http://tcslab.csce.kyushu-u.ac.jp/COMP/

2/28(月)-3/3(木) キックオフ国際会議

3月 コンピューテーション研究会, 東工大(2日間)

      http://tcslab.csce.kyushu-u.ac.jp/COMP/

3月 アルゴリズム研究会, 東京

      http://www.hirata.nuee.nagoya-u.ac.jp/sigal/

5/21(土)-24(火) STOC, バルチモア

      http://www.cs.jhu.edu/~stoc05/

6/3(金)-6(月) 第4回日洪シンポジウム

7月 確率アルゴリズムの合同シンポジウム