ミニシンポジウム: 新世代計算限界と地球環境問題

開催案内

日時 12月 5日 (火) 午後, 6日 (水) 午前・午後
会場 東京大学 本郷キャンパス
世話役 加藤直樹 (京都大学), 杉原厚吉 (東京大学)

 本特定領域で私たちが行っている研究テーマが、地球環境問題と どのように関わり得るかを考えてみる機会を作る目的で、表題のよ うなミニシンポジウムを企画しました。

 私たちは、普段の研究を進めるうえで、自分の研究と地球環境問 題との関係を考えることはそれほど多くはないと思います。でも、 最適化は資源の有効利用を目指すものですから、多くのアルゴリズ ムは、地球資源の有効利用につながるのではないでしょうか。たと えば、巡回セールスマン問題を解くことは、配送車の石油消費量の 節約や二酸化炭素排出量の削減につながる、などです。そこで、そ のような側面について貢献の可能性について意見交換をしたいとい うわけです。

 このミニシンポジウムの目的には、次の二つがあります。

(1)自分たちの研究が、地球環境問題にどう貢献できるかという 観点から見直し、情報交換する機会を提供する。

(2)講演原稿をまとめて、本特定領域の研究が地球環境問題に貢 献できる方向性を持っていることを分野外の人にアピールで きる資料を作る。

 というわけですから、私の研究は関係ないやなどとは思わない で、是非とも多くの方に参加していただきたいと思います。上の目 的(1)は、皆さんが今行っている研究を、地球環境問題という観 点から解釈しなおしてみていただくだけで十分だということを意味 しています。新しくこの方向の研究をしましょうというわけではあ りません。ただし、目的(2)もありますから、ご講演いただく場 合には、何かあとに残せる原稿も用意していただきたいと思います。 これは、他で発表されたアルゴリズムや計算手法の説明の部分はそ のまま切り貼りし、それに地球環境問題という立場からの解釈を付 け加えていただければできると思いますので、それほど負担は大き くないだろうと勝手に想像しております。

招待講演 「輸送エネルギーの削減と都市空間構造の最適化」
  鈴木勉(筑波大学 大学院 システム情報工学研究科 リスク工学専攻)

「環境配慮型プロダクトライフサイクルマネジメント」
  由良憲二(電気通信大学 大学院 電気通信学研究科 システム工学専攻)
講演原稿 現在、製本中です。御希望の方は、 杉原先生 まで御連絡ください。

プログラム

12月5日(火)

13:30-15:00 1. ボート航行距離方程式を利用した汚染拡散予測
  ○杉原厚吉、西田徹志(東京大学)
2. 時刻依存配送計画問題に対する反復局所探索法
  ○橋本英樹(京都大学)、柳浦睦憲(名古屋大学)
3. 航路、飛行路の最適経路設計をめざして
  ○西田徹志、杉原厚吉(東京大学)
15:30-17:00 4. 剛性および外乱の変動に対するトラスのロバスト性能評価法
  ○寒野 善博(東京大学), 竹脇 出(京都大学)
5. CO2削減行動を誘発する政策に関するシミュレーション
  (唐、宗本、松下氏の研究の紹介)
  ○加藤直樹, 瀧澤重志(京都大学)
6. 低消費電力アルゴリズムとデータ構造
  ○定兼 邦彦 (九州大学)

12月6日(水)

10:00-11:00 7. 燃料消費削減のための最適飛行経路の設計
  ○岩佐大、齊藤廣大(東京大学)、松井知己(中央大学)
8. 航空路線デザイン問題の効率の良いアルゴリズム
  中野眞一(群馬大学),○上原隆平(北陸先端大学),宇野毅明(NII)
11:15-12:15 (招待講演1) 輸送エネルギーの削減と都市空間構造の最適化
  鈴木勉(筑波大学)
13:30-14:30 (招待講演2) 環境配慮型プロダクトライフサイクルマネジメント
  由良憲二(電気通信大学)
14:45-16:15 9. 建築分野における地球環境問題の研究レビューと本研究室での取り組み
  ○加藤直樹,瀧澤重志(京都大学)
10. 最小節点ランキング全域木問題の環境データモニタリングのための センサネットワークへの応用の試み
  ○増山繁(豊橋技術科学大学),中山慎一(徳島大学)
11. ISO/TC211地理情報の標準活動における計算限界
  ○今井浩(東京大学)